「東京淡水魚図鑑」の使い方

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2011年7月11日月曜日

淡水魚飼育法

淡水魚飼育法

淡水魚は、熱帯魚や海水魚に比べると簡単に飼育できるのが最大の魅力です。縁日の金魚すくいで持ち帰った魚が、20年近く生きたという話も耳にします。せっかく採取し持ち帰った魚ですから、可能な限り長く飼育したいもの。

このページでは、淡水魚飼育に関する基礎知識を説明いたします。

色々な飼育容器


【1】水槽

飼育容器の基本は水槽。専門のショップにいくと、30センチ程度のものから数メートルのものまで様々な大きさ、形状の水槽が販売されております。また、金魚鉢のような伝統的なものも水槽の一種と考えられます。

[メリット]水槽の最大のメリットは、ガラスで出来ているので横から魚の動きを目で楽しめる点。これこそが魚飼育の最大の喜びです。様々なサイズのものがあり、自分の設置スペースにあったものを選べます。大型熱帯魚店では、びっくりするほど数多くの形/サイズのものが販売されております。

[デメリット]逆にデメリットも。例えば、設置する場所にもよりますが換水の面倒さ。また、換水を怠るとガラス面にコケが生えてしまい、見栄えが悪くなってしまう点も要注意。コケで汚れてしまった水槽は目にする度にうんざりしてしまいます。そうならないためにも、日頃から水質チェックは欠かせません。またアブラハヤ/オイカワのようなジャンプ好きの魚はフタをしないと飛び出してしまう可能性がある点も注意。

犬猫の飼育でも同様ですが、生き物を飼うとどうしても多少の手間はかかるもの。手間をかけた分、水槽でスイスイ泳ぐ魚の姿から得られる喜びも大きいはずです。

最もポピュラーな水槽は、横幅60センチのもの。この大きさなら、メダカですと30匹前後、10センチ程度の魚なら5、6匹は飼えます。自宅の設置可能なスペースに合った水槽を選び、水槽で飼いきれる範囲の魚のみ持ち帰るのが大原則です。

   

以上の四点は、左から幅約30cm、60cm、90cm、120cmのもの。幅90cm以上のものになると、奥行き/高さは色々なサイズのものがあります。ただ、幅90cm奥行き45cm高さ45cmのものだと水量は157㍑となります。つまり水だけで157kgですので、重いものを置いても大丈夫な場所を選ぶ必要がありますし、場合によっては専用の台が必要かもしれません。販売している専門店に足を運び、現物を目で見てから判断する必要があります。

   

最近は、このようなへりの部分までガラスでできている水槽が人気があります。このタイプですと角の接着部が邪魔にならずどの角度からも眺めることができます。ただし、コスト的には少々高くなります。

   

水槽スタンドも様々なスタイルのものが用意されております。

[設置場所]水槽を置くのは、屋内でも構いませんし、屋外でも大丈夫。マンションのベランダでも可能。雨に当たる場所でも多少劣化は早まるかもしれませんが、問題はありません。ちなみに私は室外の軒先に淡水魚水槽を並べて使用しております。

なお、近年アクリルを使ってされた水槽も人気があります。水族館の大型水槽はアクリル製だとか。ホームセンターなどでアクリル板が販売されており、自作水槽の製作も可能。切断や接着も専用の道具を使えばそれほど難しくありません。



マツモを浮かべ、植木鉢を隠れ家に

直射日光が当たりすぎないように、側面にダンボールを貼りました。水作社製の水中ポンプを使用。付属フィルターは使わずに、別途用意したバクテリア発生用の濾材を入れました。ヌカエビ、ジュズカケハゼ、シマドジョウ、カワムツを飼っています。




マツモを浮かべ、流木、植木鉢、市販の水槽用アクセサリーの土管を隠れ家に。カワムツ、ドジョウ、シマドジョウ、ジュズカケハゼ、ヌカエビを飼っています。こちらも水作社製の水中ポンプのフィルターをはずし、バクテリア発生用の濾材を使用。

ビギナーの方向けに、浄水装置など飼育を始めるにあたって必要なものがセットになっているスターティングキットも用意されております。水槽のサイズ、浄水装置のタイプなど様々な組み合わせのものがありますので、飼いたい生き物に合ったものを慎重に選択して下さい。

   

   

【2】睡蓮鉢


次にお勧めしたいのが睡蓮鉢。元々は、水性植物のスイレンを楽しむための容器ですが、メダカやエビ、ドジョウなどおとなしくサイズの小さな生き物を飼うのに適しております。スイレンを入れると風流な印象も数段アップします。

ホームセンターなどでは直径20cmくらいの小さなものから、1m近い大きなものまで販売されております。

   

少々値は張りますが大きめの鉢なら金魚・フナなど10cm弱くらいのものまで飼えます。スイレンの他にも、マツモ、ウィローモスなどを入れるとより色鮮やかな睡蓮鉢を楽しむことが出来ます。



睡蓮とウィローモスを入れ、メダカとヌカエビを飼育


こちらが我が家にある睡蓮鉢。ホームセンターで買ってきた姫睡蓮、平井川でとってきたウィローモスを入れ、メダカとヌカエビ、ドジョウを飼っています。


【3】池


池というと敷居が高いような気がしますが、自分で作るのはそれほど難しくありません。ホームセンターに行けば材料は全て揃います。

方法はいくつかありますが、ビニールシートを使う方法。この方法に関しては日曜大工本などに掲載されております。あらかじめ池の形に作られた樹脂製の型を購入し埋め込む方法もあります。

   

次に、セメントを使う方法。庭の適当な場所に穴を堀り、セメントで固めて水を溜め池にする方法です。プロの方に依頼しなくてはできないと思われがちですが、多少不格好になるのも味があると考えれば、作ること自体はそれほど難しくありません。



レンガとモルタルで作った池

これは我が家の庭に10年ほど前に作った池。なにせド素人の手作りですので不格好ですが、水漏れもなくどうにか池としての機能は果たしてくれています。凸型で幅約1m、50cmほどの深さ。ホームセンターでモルタル材と砂を買ってきて壁はレンガで作りました。半日陰にあるので、猛暑日でも比較的水温は低く、アブラハヤ、タカハヤ、タモロコ、ギンブナ、クチボソ、シマドジョウ、ドジョウ、ジュズカケハゼ、ヌカエビ、スジエビを混泳させてます。

エアレーションと水作社製水中ポンプを設置。ポンプは付属内部フィルターをはずし、別途用意したバクテリア発生用の濾材を入れました。ただ、池にこれらの装置は必ずしも必要ではないかもしれません。電源コードは、雨でも大丈夫なものをやはりホームセンターで購入し付け替えました。電源はタイマーで管理し、一日6時間程度浄水装置が回るようにしております。

冬は稀に氷が張ることがあります。エアレーションや水中ポンプで水を動かすことで、全面に張って酸素不足になることを防ぐ効果が期待できます。

水槽に比べ池は大きいので、魚たちは気持ちよさそうにスイスイと毎日元気に泳いでいます。ただし、屋外ですので雨風などによりどうしても底に泥や落ち葉が溜まってしまいます。定期的な換水と底ざらいは欠かせません。


【4】その他


水槽など、魚の飼育のための容器以外にも、淡水魚飼育に利用できるものは多数あります。ホームセンターに行くと様々な発見が。

例えば通称「舟」と呼ばれる大きなタライのようなもの。
   

この「舟」というのは、そもそもの用途はセメントと砂を混ぜ合わせたり、大工用具として販売されているもの。ですが、容積が大きいだけに魅力的な魚の飼育容器に転用できます。1mを越えるものであれば、相当数の生態が入ります。睡蓮や菖蒲を植えたり、浮き草や水草を入れれば池と同じような楽しみ方ができます。魚にとっても広い環境はきっと快適なはず。



上下ふたつの舟をパイプで連結、外部フィルターで水を循環

これは我が家で使ってる船。ひとつを縁側の上に置き、もうひとつを50cmほど下の庭の地面に置いております。上にある船の壁に穴を開けパイプを通し、下の船に水が落ちるように改造しました。外部ポンプ(エーハイム/エコ 90cm水槽用)の取水口を下の船に設置し、排出口を上部の船に設置。パイプを通じて上の舟から溢れた水が下の船に落ち上下の船を水が循環するようにしております。

やはりホームセンターで購入した姫睡蓮を植木鉢ごと沈め、マツモ、ウィローモスを入れています。砂利/砂は多摩川から持ち帰ったものを使用。上の段には、メダカと小さめのシマドジョウ、数年前に通信販売で購入し異常繁殖したミナミヌマエビを飼育。下の段では、カワムツ、ジュズカケハゼ、ドジョウ、シマドジョウ、ヌカエビ、ギバチを飼育しています。





もちろん、このシステムは魚にとって良い環境作りというよりも人間がより楽しむためのもの。わざわざふたつの船の間で水を循環させる必要性は必ずしもありません。ただチョロチョロと水が流れ落ちる音は心地よく、我が家の癒しの空間となっております。電源はタイマーで管理。日中の6時間程度ポンプが回るように設定しております。

屋外設置ですので、数ヶ月も経つと底にフンや落ち葉、砂埃などがたまります。池と同じく定期的なメンテナンスは欠かせません。

これ以外でも、例えば収納ケースですとか、大きなタライなども、魚を飼育するための容器に使用することは可能で、なにも水槽にこだわる必要はありません。ホームセンターに足を運び、ご自宅の環境に合った容器を選ぶのも楽しみのひとつになります。

淡水魚にとってより快適な環境を作るために


【1】換水の必要性

























淡水魚に限らず、魚にとって最も危険なのは水質の悪化です。長い間換水せずに同じ水を使っていると、人の目から見てたとえ透明で綺麗に見える水でも、魚が生きるには適正でない汚れた水になっている可能性があります。エサの食べ残しやサカナのフンの成分であるアンモニアが水質の低下の原因になります。













最も重要で最も効果的な対策は、換水です。定期的(理想は半月に一度)に水槽の水の1/3程度を入れ替える。一に換水、二に換水、三四も換水、五も換水。真冬も換水、真夏も換水。これが大原則です。

ちなみに、「注ぎ足し」と「換水」は別物と考えられています。「注ぎ足し」とは、蒸発などによって減った水を補うこと。つまり、水中のアンモニアの濃度を注いだ水の分だけ下げる効果しかありません。水槽中のアンモニア等よごれの量は全く同じで薄まるに過ぎない、ということに。一方、「換水」はアンモニア濃度の濃くなった水を取り除き、その分綺麗な水を追加しますので、1/2換水なら水中の汚れも1/2になります。

また換水の頻度も夏と冬では異なります。夏は魚の動きも活発でエサを大量に食べます。ということは、フンの量も多くなります。結果、水中のアンモニアも多くなりますので、換水の頻度を上げなければなりません。一方、冬は魚はじっとしていることが多くなり、エサもあまり食べません。ですから、換水もそれほど必要なくなります。夏は半月に一度1/3換水、冬は月に一度1/3を目安に。



【2】エアレーション


エアレーションとは、ぶくぶくポンプとも呼ばれたりする水中に空気を送り込む装置。水中の酸素濃度が下がると魚は弱ってしまい、場合によっては死んでしまうと言われております。これは魚の入れすぎ、水質の低下が原因と考えられます。エアレーションは、そのような水中の酸素不足を防ぐ装置として利用されております。

ただ、エアレーションは魚の飼育にとって必須の装置とは考えられておりません。酸素不足は、水槽の大きさに合った適正な数の生体数を維持することで防げます。また、水草を入れればわずかながらも光合成により酸素は発生します。水槽に魚をたくさん入れすぎなければ、エアレーションは必須とまでは言えない、ということになります。

もちろん、エアレーションを使うこと自体に害はありません。エアレーションが理由で魚が死んでしまうということはゼロと考えられます。ブクブクと上がっていく泡の中を魚が気持ちよさそうに泳いでいる姿も目にします。またわずかながらも水を動かし水槽内の水をかき回す効果も期待できます。

   


【3】浄水装置


水質の維持に関しては、先ほど【1】換水の必要性で触れたように、定期的な水の交換こそが最大の対処法になります。

ただそうは言っても、換水には手間も時間もかかります。浄水装置を設置すれば、換水の頻度を少なくすることができます。あくまでも頻度を下げられるにすぎませんので、一定期間ごとの換水は必要な点はご留意ください。

[上部設置型/外掛け式/エアレーション利用型]浄水装置にも様々なタイプがあります。まずは昔ながらの上部設置型のもの。そして、小型水槽向きの外掛け式のもの。エアレーションを利用するものなどがあります。

   

これはアマゾンで販売されているものの一部ですが、左から2つが上部設置型、3つ目が外掛け型、一番左がエアレーションを利用するタイプのもの。水槽のサイズに合った様々な種類のものが販売されております。

この中では上部設置型が最も強力な浄水能力があります。外掛け式の浄水能力は中程度。メンテナンスせずに放っておくとコケが生えてしまったりも。エアレーションを利用するタイプのものは、設置した水槽底部にゴミが吸い寄せられにすぎず、取り除くという効果はゼロに近いと考えるべきかと。

[外部式フィルター]現在、もっとも評価されている浄水装置が外部式フィルターと呼ばれるタイプ。上記したものよりコストはかかりますが、浄水能力は格段に上がります。

   

こちらも水槽のサイズによって様々なタイプが各社より販売されております。

この外部式フィルターは、水槽の水をホースを使ってフィルター内部に取り込み浄水。きれいになった水を再びホースから水槽へと戻すスタイルを採用しています。

フィルター内部に取り込まれた水は、まずゴミやフンなどといった固形のよごれを除去するフィルターを通ります(物理濾過)。次に、セラミックなどで作られた濾材の層を通ります。ここが重要なポイントで、セラミックでできた濾材にはバクテリアが付着しやすいという特徴があります。バクテリアは、魚のフンから生じるアンモニア、亜硝酸を分解する機能を果たします。水槽内の水を汚し、魚の住環境を破壊する最大の原因がアンモニア。水中アンモニア濃度が高くなてしまうことを防ぐために換水が必要になる訳です。外部式フィルターは内部でバクテリアを発生させ、培養することで水質を維持する機能(生物濾過)も持ちます。ですから、この機能により、換水の頻度を減らすことが可能になります。

私は長年に渡って多数の浄水装置を試してきましたが、結論として外部式フィルターが最も効果が高いという結論に達しました。これは魚が長生きするようになったという意味です。メダカやエビを入れた水槽では繁殖もより成功度が高まったように思えます。具体的な数値で検証することは不可能ですので、感覚的な根拠にすぎませんが、たしかに飼育はうまくいくようになりました。

ただ繰り返しになりますが、外部式フィルターを使用したとしても換水は不要な訳ではなく、頻度が下がるだけです。また、濾材の定期的なメンテナンスと濾材等の交換も必要になります。

メンテナンスの際には、水道水は使うのは厳禁となります。水道水に含まれる塩素はバクテリアを殺してしまいます。濾材を洗浄する際は、水槽内の水を使用する必要があります。

以上のように、外部式フィルターは換水の手間は減りますが、メンテナンスは必要でコストもそれなりにかかります。が、もし魚の飼育がなかなか上手くいかないと困っている場合は、試してみる価値は十分にあると思います。

[水中フィルター]また、外部式フィルターほどの効果は望めませんが、水中フィルターという装置もあります。

   

水中フィルターとは、水槽の中にフィルターの付いた防水モーターを沈めて使用するタイプのもの。水槽の水はフィルターを通りゴミを除去されて放出されます(物理濾過)。ただこれでは、バクテリアによるアンモニアの分解(生物濾過)は期待できません。そこでフィルターをハズしてしまうか、2個フィルターが入るタイプのものならひとつをハズし、空いたスペースにセラミック製の濾材を詰めます。

こうすることにより、外部フィルターほどではないにせよバクテリアの発生を促し、アンモニアの分解を期待できることになります。私は60cm水槽でこのスタイルを実践しており、数値で証明することはできませんが、カワムツやアブラハヤ、ドジョウ、ヌカエビなどの飼育を行っており、あまり死なせることもありませんので、それなりの効果があると考えております。

以上のように、浄水装置と言っても様々なタイプのものがありますので、ご自分の設置環境や水槽のサイズなどによってより適切なものを選んでみてください。

【4】エサ


淡水魚は、春から夏にかけて水温が上がる時期は食欲旺盛で、逆に冬になり水温が下がると水底にじっとしていることが多くなり食欲は低下します。ですので、飼育の際もこの性質に順じて、夏は多めに冬は少なめにエサを与えるのが基本となります。

ただし、エサをやりすぎて食べ残しが溜まってくると水質の悪化を招きますので適量を心がける必要があります。

[コイ/フナ/クチボソ/タモロコ/オイカワ/アブラハヤ/カワムツなどコイ科の魚]

淡水魚の中でももっとも飼育が容易なのがコイ科の魚。川魚用、コイ・フナ用、金魚用のエサなら何でも食べてくれます。ペットショップやホームセンター、専門店のエサ売り場に行くと、様々な種類の川魚用飼料が販売されておりますが、成分を見るとほとんどのものが同じです。ですから、飼育している魚の大きさに合った粒の大きさのものを選びます。

浮くタイプのものと沈むタイプのものがありますが、どちらでも良く食べます。

   

[ドジョウ類/ヨシノボリなどハゼ類]

これもコイなどと同じく川魚用飼料を良く食べます。ただし、水底が生息域ですから沈むタイプのものを選びます。

またタブレット型のドジョウ専用飼料も販売されており、これもよく食べます。フナ/カワムツなどと混泳させている場合、エサが水底に届く前に他の魚に食べられてしまいドジョウにまで行き届かない可能性がありますが、専用飼料ならばその心配もなくなります。



   


[メダカ/ヌカエビ/スジエビなど小型のもの]


メダカに関してはフレーク状か粒状の水面に浮くタイプのエサが一般的。金魚のエサなど粒が大きいものでもすり潰せば使えます。孵化したばかりの稚魚には粒が更に細かい稚魚用飼料も販売されております。成魚用のものをすり潰しても使えます。

川エビもメダカ用のエサを良く食べます。水草を入れておけば、水草に捕まって水面に浮かんだエサを食べますし、底に沈み残ったエサもきれいに掃除してくれます。

   

ここまでで紹介した魚に関しては、基本的に雑食性で何でも食べる魚ですので、どのエサでも食べます。よく目にする商品のほとんどを試してきましたが、食べないというような事は皆無で、どれもよく食べました。金魚用/熱帯魚用のエサでも成分はほとんど変わりがありませんので大丈夫。

問題は、飼っている魚の大きさに合った大きさのものを選ぶこと、そして水底に住む魚を買っているのであれば、沈むタイプの方が良いということくらいです。

以上に挙げたような人工フードの他に、赤虫やミジンコを乾燥させたタイプのエサもあります。

   

このようなタイプのエサもよく食べますが、必須とまでは言えないかと。


[カジカ/オヤニラミ/ギバチ/ナマズなど肉食魚]


淡水魚飼育の最大の難関は、肉食魚のエサをどうするか、です。私はこのカテゴリに関しては経験に貧しいので、あまり知識が深くありませんが上記に挙げたような乾燥フードでは上手くいきません。

基本的には、生き餌が必要になります。例えば、メダカかヌカエビ。また専門店ではエサ用金魚も売られておりますし、糸目と呼ばれる糸ミミズなどもあります。種類によっては冷凍赤虫を食べるものも。釣具屋で販売されているミミズや赤虫、サシなどもエサとして利用できます。


当然、定期的な入手には時間もコストもかかりますので、このような生体を採取し持ち帰る際には熟慮する必要があります。

[ザリガニ/サワガニ]

アメリカザリガニやサワガニも専用フードが市販されております。

   

【5】その他


[水槽のコケ取り]

水槽のガラス面にコケが生えてしまうことが良くあります。対処法としては2つ。

1つ目はコケが生えない環境を作ることです。そのためには、定期的な換水が第一。換水でコケの発生を大幅に減らすことができます。半月に一度1/3程度の水を捨て新しい水と交換します。その際、魚の健康のため一日程度汲み置き塩素を抜いた水である必要があります。またコケは光の当てすぎによっても過剰に発生することがあります。室内に置いた水槽でライトで明るくしている場合、一日8時間程度に点灯時間をします。室外にある場合は直射日光が当たる面にダンボールなどを張り光を遮ることによって多少なりともコケの発生をおさえることができます。

2つ目は、コケが生えてしまった場合。この場合は掃除するしかないのですが、三角定規のようなプラスティックでコケの生えてしまったガラスをこすると簡単に除去することができます。ただ強くこすりすぎたりするとガラス面を傷つけてしまう可能性があるので注意が必要。丁寧にやれば新品のような状態に戻せます。ただし角の接着面のゴムなどに付着してしまったコケの除去は難しく、強引に取ろうとすると接着剤が剥がれてしまう可能性も。この部分に関してはあきらめるしかなさそうです。

ちなみに私の場合、大半の水槽は屋外(軒先)に設置しておりますので、夏になると日に数時間は直射日光を受けてしまいます。換水は定期的に行っておりますが、やはりコケの発生をゼロに抑えることは不可能。コケの発生を前提にし、うっすらと生えてしまった時点で除去するように心がけております。

[隠れ場所の設置]

淡水魚は同種の魚であっても縄張り争いをします。また混泳は淡水魚飼育の醍醐味である一方、異種の魚同士はやはり牽制し合うもの。魚は常に緊張状態を強いられることになります。水槽の中はいわば常に「万魚による万魚の闘争状態」にある訳です。そこで、魚の隠れ家になる場所を設置することでストレスを減らしてあげることは長生きさせる上で重要なこととなります。

   

以上のような陶器製の隠れ家を設置するのもひとつの方法。ホームセンターやペットショップなどで販売されております。

またわざわざ上掲のような製品を購入しなくても、割れた植木鉢やレンガ片、石などを組み合わせて魚が潜り込めるスペースを確保できれば問題はありません。

フナやドジョウは温厚なタイプの魚ですが、ヨシノボリなどハゼ科の魚は縄張り争いが熾烈でケンカっ早いことで知られております。ハゼ科の魚を複数飼う場合は特に隠れ家を多めに設置する必要があります。

[水草]


水草はいくつかの理由で淡水魚飼育を成功に導くカギとなります。

まず第一に、淡水魚を採取する際、水草の近辺を網でガサガサすると生き物が捕れることが多いことがあることからもわかるように、魚は水草周辺に身を潜めることを好みます。水草の中が隠れ家であり、主な生活場所ということに。特にヌカエビやスジエビにとっては水草自体が家のようなものですので必須になります。メダカは水草に卵を産み付けます。メダカを繁殖させたいと考えている場合も水草は必須アイテムとなります。

また、水草は光合成により酸素を作り水中の酸素濃度を上げてくれます。水中の酸素濃度の低下は魚にとって死活問題。実際のところ、水草による酸素供給はそれほど多くはないのでエアレーションほどの効果は期待できません。が、わずかながら酸素の供給をしてくれることも確かです。

次に、水槽の見た目がにぎやかになる点。これは魚にとってではなく、水槽を楽しむ我々にとってのメリットです。緑色の水草が入ることで一気に水槽の雰囲気は明るくなります。眺める楽しみが倍増すると言っても過言ではありません。水草を昇っていく小エビ。根元でひと休みするドジョウ。思わず時間を忘れて見入ってしまいます。水草は水槽を楽しむ人間にとってもリラクゼーション効果があるようにすら思えます。

ただ水草にもデメリットもあります。コケの発生を推進してしまう可能性です。水草を入れた水槽にライトを長時間当てているとコケの発生が促進されてしまうことがあります。これを防ぐためには、やはり定期的な換水こそが最大の対処法です。そしてライトを点灯する時間を短めにすることも有効。

淡水魚水槽にうってつけの水草としては、カボンバ(金魚草)、カナダモ、マツモなどが一般的。どれもペットショップなどで販売されていますが、カナダモに関しては多摩川でも良く見かけます。平井川のような水がきれいで狭い川には大量にありますのでこれを持ち帰っても良いでしょう。

マツモは10cmほどのものを購入し、日のあたる場所に置いておくとグングン伸びます。ひと夏で数倍、1年くらい経つと数十倍くらいに増えます。目が細かく見た目もとてもきれい。メダカの産卵にもうってつけです。

またコケの一種でウィローモスというものあります。これも水槽の底に沈めたりすると見た目が華やぎ、エビなどの巣にもなります。釣り糸などで流木やレンガ片などに縛り付けると着生させることも可能。平井川などで採取することもできます。

    

また室内で真冬でもあまり室温が下がらない場所に設置した水槽なら、熱帯魚向けの水草アヌビヌスなども使用は可能です。年間を通じて15℃くらいを維持する場所でしたらヒーターなしでも冬を越せます。


アヌビヌスの陰に隠れるホトケドジョウ(後景:マツモ)


ホテイアオイのような浮き草は、ライトの光を遮ってしまいますので水槽には適さないと考えられております。


[大型専門店]

水槽や生体などは、大型専門店に行って実際に見てみてから購入を検討した方が良いと思います。

PD熱帯魚センター

新青梅街道/武蔵村山市

体育館のような大きさの建物2棟に、淡水魚/熱帯魚/海水魚/両生類/は虫類/昆虫まで何でも揃ってます。水族館よりも個体数と種類は多いと思えるほど。水草、水槽、浄水装置などあらゆる種類のものが販売されております。

トロピランド

小平店/新青梅街道沿い東村山市
相模原店/国道16号沿い

生体、水草、水槽など周辺設備なんでも揃います。


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